植物図鑑シリーズ2回目は、キク科の植物をまとめようと思います。
※写真等間違いある場合がございます。
※名前に貼られたリンク先には更に別の写真があったりします。
キク科と言えば、イネ科と並んで食べられる可能性の高い種ですね。
安心感があります。
それが天皇家の紋章になっていたりするわけで、日本という国がどういう国なのかその辺りからも分かるのではないでしょうか。
雑草にキク科が多いのも、またなんとなく日本らしいと感じます。
そういえば昭和天皇は、『雑草という名の植物はない』と言っていましたね。
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ヨモギ(カズサヨモギ)■■キク目キク科ヨモギ属■■
一般的に言われるヨモギは、このカズサヨモギですね。
ヨモギ餅に使われているヤツです。
他にも日本には30種類以上のヨモギがあって、葉の形も様々です。
一般的なヨモギの葉に形が似た種としては、私の調べた限りでは、オオヨモギ(ヤマヨモギ・エゾヨモギ)、ワタヨモギ、シロヨモギ辺りでしょうか。
オオヨモギは高さが2mを超え、葉は大きくなると20cmほどになるそうですが、小さいものは普通のカズサヨモギとの区別がつきにくいようです。
ワタヨモギは葉の表面に白点がある事で区別できます。
多くは自生していない主ですから、あまり見かける事はないでしょう。
シロヨモギは見た目白いのですぐに分かります。
寒い地域に生えているので、関東から西では見られないでしょう。
ヨモギだと思えば、大抵はカズサヨモギかオオヨモギという事になると思います。
ヨモギは葉の裏が白いのが特徴ですね。
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日本タンポポ■■キク目キク科タンポポ属■■
タンポポと言えば、この日本タンポポと西洋タンポポがあります。
主に見かけるのは西洋タンポポで、日本タンポポは数が少ない上に、花が咲いている時期が短いです。
春の桜が咲く季節だけに咲きます。
綿毛を吹き飛ばす遊びは、誰もがやった事があるのではないでしょうか。
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西洋タンポポ■■キク目キク科タンポポ属■■
日本タンポポとの違いは、花の裏のガクのように見える総苞片(そうほうへん)が広がっているのが西洋タンポポです。
日本タンポポは西洋タンポポに駆逐されたという話も聞かれますが、日本タンポポはそもそも数が少なく西洋タンポポが目立っているだけのようです。
個人的な見解ですが、日本タンポポはこれから暖かくなるまだ寒い時期に咲くので、葉の切れ込みが深く、葉の部分に大きな隙間ができるように思えます。
西洋タンポポの方が葉も緑に感じますね。
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ブタナ■■キク目キク科エゾコウゾリナ属■■
タンポポに最もよく似た別種です。
タンポポよりも食用に適しているようです。
タンポポとの違いは簡単で、タンポポは根元から伸びる茎が枝分かれしないのに対し、ブタナは枝分かれしてその先々で花を咲かせます。
咲く時期も少し遅めで、日本タンポポと時期が重なりません。
花の裏のガクのように見える総苞片(そうほうへん)も、西洋タンポポのように反り返ったりはしません。
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ノゲシ■■キク目キク科ノゲシ属■■
ノゲシは、タンポポに似た花を付ける事で知られてる雑草です。
でも他はかなり違っていて、高く大きく育ちます。
タンポポの花は根元部分から伸びた茎の先に付きますが、ノゲシは枝分かれして花を付けます。
下の方の葉はタンポポに似た形のものでも、上の方に行くと普通の切れ込みの無い葉になったりします。
レタスの原種です。
似たものに後に紹介するオニノゲシがありますが、一番の違いは茎を抱く葉の部分が尖っている所です。
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オニノゲシ■■キク目キク科ノゲシ属■■
ノゲシの近似種です。
葉は緑色が濃く艶があり、トゲトゲとした印象です。
ノゲシよりも固そうに感じます。
葉の茎を抱く付け根の部分は尖っていません。
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アキノノゲシ■■キク目キク科アキノノゲシ属■■
春に花を咲かせるノゲシに対して、秋に咲くので秋のノゲシです。
当然ノゲシに似ています。
葉はアザミにも似ていて、剣のような形をしています。
写真では葉の主脈が紫色をしている事から、もしかしたら違う可能性もあります。
検索した中に数枚あったのでアキノノゲシと判断しました。
ノゲシやトゲヂシャといった近似種よりも、葉の茂り方はオオアレチノギクやヒメムカシヨモギに近い気がします。
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トゲヂシャ■■キク目キク科アキノノゲシ属■■
ノゲシに似た雑草です。
私の見る限り、見かける時期はノゲシよりも後で、高く大きく育ちます。
見た目ほとんど変わりませんが、真っすぐ伸びるのが特徴かと思います。
葉も似ていますが、裏の葉脈中央、主脈の所に棘があるのが特徴です。
無いものもあるようですが、他にも葉が横縦に捻じれる所で見分けられます。
花の裏のガクのように見える総苞片(そうほうへん)も広がらず、西洋タンポポとの見分けも楽です。
写真を拡大してみれば、棘が確認できます。
だいたい1mから2mくらいになると言われていますが、3m近くまで育ったものもありました。
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オニタビラコ■■キク目キク科オニタビラコ属■■
近似種のヤブタビラコ属にコオニタビラコ(七草のほとけのざ)があります。
コオニタビラコの花の花びらは7,8枚と少ないので見分けが付きます。
他にも葉や茎に毛が生えているかどうかで見分けます。
コオニタビラコには毛がありません。
ヤブタビラコにも似ていますが、ヤブタビラコは花が咲き終わった後下を向く所で見分けられるそうです。
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ハルジオン■■キク目キク科ムカシヨモギ属■■
春に見られる雑草です。
ヒメジョオンに似ていると言われていますが、実際に見れば大体見分けられます。
ただ交雑する事もあって見分けられない場合もあるようです。
ハルジオンは春、ヒメジョオンは初夏から夏にかけて咲きます。
ハルジオンは茎の中が空洞になっています。
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ヒメジョオン■■キク目キク科ムカシヨモギ属■■
ハルジオンがニョロっと生えるのに対して、ヒメジョオンは真っすぐ上に伸びます。
高さもヒメジョオンの方が高いです。
真っすぐ立ってワイの字に手を伸ばし、手のひらを上にしたような形で伸びる事が多いです。
頭の上と手のひらに花を咲かせる感じです。
ですが花は圧倒的に小さいのがヒメジョオンです。
近くで花を見ると、花びらが糸状なのがハルジオン、幅があって花びららしいのがヒメジョオンです。
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ウラジロチチコグサ■■キク目キク科チチコグサモドキ属■■
ハハコグサ属のチチコグサに似た雑草です。
意外と最近になって分布を広げているようです。
チチコグサは先の部分だけに花を付けますが、ウラジロチチコグサは先の方に固まるものの、やや縦長に頭状花を付けます。
葉の裏を見れば白く、へら状の濃い目の緑色をしている印象です。
開花中の花序は濃い紫色をしています。
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チチコグサモドキ■■キク目キク科チチコグサモドキ属■■
同属のタチチチコグサに似ています。
タチチチコグサは真っすぐ上に伸びて、長いヘラ型の葉をしています。
チチコグサモドキは少し曲がって伸びたりします。
頭状花もタチチチコグサは枝分かれして付きますが、チチコグサモドキは茎の先から間隔をあけて付く感じです。
多くの綿毛を飛ばします。
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ハルシャギク■■キク目キク科ハルシャギク属■■
雑草とされていますが、割と大き目で綺麗な花を咲かせます。
マツバハルシャギクなどヘレニウム属のダンゴギク(団子菊)は毒があるようですが別属です。
波斯菊の波斯(ハルシャ)はペルシャの事だそうです。
原産地は北アメリカだそうです。
どうしてペルシャとついているのかは謎です。
ペルシャの人が北アメリカから持ってきたのでしょうか‥‥
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アザミ■■キク目キク科アザミ属■■
葉の形はアキノノゲシに似ていて、食用になる辺りかなり近い種であると思われます。
アーティチョークと言えば聞いたことがあるのではないでしょうか。
私は中島みゆきの曲、アザミ譲のララバイを思い出します。{笑}
根はヤマゴボウとして食べられたりしますが、
ヨウシュヤマゴボウとは無関係です。
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アレチノギク■■キク目キク科イズハハコ属■■
道端などで見かける雑草です。
近種の
オオアレチノギクの方が多く見かけますね。
オオアレチノギクと比べて小さく、横茎が有り葉がねじれるのが特徴です。
南アメリカ原産の帰化植物です。
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オオアレチノギク■■キク目キク科イズハハコ属■■
道端などどこでも見かける雑草です。
1m以上に育ち、夏に目立ちませんが花が咲きます。
日本の侵略的外来種に指定されている厄介な雑草です。
ヒメムカシヨモギによく似ています。
私の中ではアブラムシの集まる草という印象です。
セイタカアワダチソウと混同している可能性もあります。{汗}
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ヒメムカシヨモギ■■キク目キク科イズハハコ属■■
オオアレチノギクに似た何処にでも生えている雑草です。
茎や葉に毛が生えているので見分けられます。
戦後空腹をしのぐ為に食べられていた事もあります。
明治維新の頃から鉄道沿線にそって広がった植物です。
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セイタカアワダチソウ■■キク目キク科アキノキリンソウ属■■
秋以降に黄色い花が咲く何処にでも生える雑草と言えそうです。
北アメリカ原産の帰化植物です。
要注意外来生物に指定されています。
花はハーブティ、新芽は天ぷらなどにして食べられているようです。
特定のアブラムシが集まってきます。
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カンシロギク(ノースポール)■■キク目キク科フランスギク属■■
寒い時期に花を咲かせるガーデニングでは無くてなならない植物です。
マーガレットに似た花を付けます。
花はエディブルフラワーとして食べられていたりします。
この手の花は多くて、本当にどれがどれだか分かりにくいです。{苦笑}
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シャスターデージー■■キク目キク科フランスキク属■■
同属の
カンシロギクに似ていますが、こちらは5月から6月頃に咲きます。
カンシロギクよりも大きく真っすぐ育ち、大き目の花を付けます。
葉も大き目でトゲトゲではなくギザギザしています。
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マーガレットコスモス■■キク目キク科ユリオプス属(ステイロディスカス属)■■
春菊のような葉をしているのが特徴です。
夏に咲くので、同属の
ユリオプスデージーとは逆の時期に咲く事になります。
何年もすると木質化してきます。
似たものが多いのでこの辺りの植物は実際に見比べてみたいですね。
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ユリオプスデージー■■キク目キク科ユリオプス属■■
晩秋から春まで、長い期間花を咲かせる常緑樹です。
写真は季節外れの7月に花が咲いていたものです。
最初小さい時は草花のようですが、成長するとゴツゴツとした木になります。
写真は川崎地蔵尊横の階段で撮ったものです。
間違いないかどうか確認してもらいたいですね。
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マーガレット■■キク目キク科モクシュンギク属■■
和名は木春菊(モクシュンギク)と言います。
何年もかけて大株になってくると茎が木質化してきます。
上のユリオプスデージーで紹介している写真は、もしかするとキバナマーガレットの可能性もあります。
7月に咲いている可能性はマーガレットの可能性がありますからね。
本当にこの辺り実際のものを見比べて確認したいです。
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ヒマワリ■■キク目キク科ヒマワリ属■■
種実を食用や油糧とするために栽培されている有名な植物ですね。
太陽の方向を向く夏の花として知られています。
種はハムスターの餌としても有名です。
夏の季語で、花言葉は『あなただけを見つめている』だそうです。
太陽をずっと見つめている花ですからね。
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ガーベラ■■キク目キク科ガーベラ属■■
オオセンボンヤリとも呼ばれる植物です。
春から秋にかけて咲くものが多いようですが、夏は一旦中断する事もあるようです。
温暖な地域から熱帯に分布しています。
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ツワブキ■■キク目キク科ツワブキ属■■
数年で枯れる事はない強い植物です。
秋から冬に黄色い花を咲かせる事から初冬の季語になっています。
艶のある大きな葉が特徴的です。
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ヘレニウム■■キク目キク科ヘレニウム属■■
アメリカ大陸原産の植物です。
切り花や花壇用に栽培されています。
真ん中が団子のようになっているので、団子菊とも言われています。
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ルドベキア■■キク目キク科ルドベキア属■■
大反魂草(オオハンゴンソウ)と呼ばれ、特定外来生物として駆除の対象となっている種類もあります。
ヘレニウムに似ています。
夏から晩秋にかけて花が咲きます。
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ヨメナ■■キク目キク科シオン属■■
ヨメナは野菊の一種で、このような花の総称としても呼ばれます。
夏から秋にかけて白い花を咲かせます。
少し紫がかった色をしています。
若芽は食べられる事で知られています。
似たものにノコンギクがあります。
他にも
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